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【レビュー:本】イニシエーション・ラブ

  • 2010-01-17 (日) 23:20

タイトル:イニシエーション・ラブ
作者:乾くるみ
出版社:文藝春秋(文春文庫)

知り合いの女の子から勧められた小説。
あまりコテコテの恋愛小説は読まないんですが、これはハマッた。

乾くるみと言えば推理作家なので、ミステリ仕立ての恋愛ものかと思ったらこれがまたコテコテのラブストーリー。

ただ、恋愛の美しい面だけではなく、嫉妬や裏切り、倦怠など、恋愛のダークサイドとも呼ぶべきところも(表面的にではなく)しっかりと描写しているのが、流行り物のラブストーリーとは一線を画すところですかね。
恋愛の描写については、物語としてはつまらないと感じるくらいにリアルです。

再読必至というキャッチが付いていたのですが、本当にその通り。

最後の最後で”アレッ!?”となります。
そしてもう一度読み直して、”ああ、そういうことか。”となる。

ミステリ作家が本気で恋愛小説を書くとこうなるのか、と思わせる作品です。

舞台はバブル絶頂期の静岡と東京。
ヒロイン”マユコ”と主人公”鈴木(たっくん)”のお話。

この作品にどんな感想を持つか、それは様々だと思います。
単に恋愛小説としてみれば、陳腐でありふれた物語。
かといってミステリとは呼べない。

しかし、これは、文句なしにお勧めです。
群像劇ではなく、一組のカップルを描いた恋愛小説なのにこの仕掛けを…というのが本書の最大の価値でしょう。

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