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【レビュー:本】若き友人たちへ ―筑紫哲也ラスト・メッセージ

タイトル:若き友人たちへ ―筑紫哲也ラスト・メッセージ
著者:筑紫哲也
出版社:集英社新書 515B

私の尊敬するジャーナリストの一人、故 筑紫哲也さんの、主に早稲田大学大学院および立命館大学大学院での講義集です。

私はテレビを見ないので、キャスターとして出演されていた番組は見たことがないのが非常に残念です。
今思えば、その為だけにテレビを見ることもできたはずなのに。

戦中戦後の激動の時代を生き、その視点は哲学的な風味を帯びて非常に説得力のある論を展開した筑紫さん。

講義集ということもあり、文章は口語体で非常に読みやすい本になっています。

しかしその内容は読みやすさとは裏腹に、興味深い考察に富んでいて、どれをピックアップして紹介しようか本当に迷うのですが、筑紫さんの思考のエッセンスが凝縮していると思われる部分を紹介させていただきます。

本書の中で私がとても惹かれたのは”知の三角形”という考え方です。
私は常々、知識と経験について、Knowledge × Experience = Intelligence という式が成り立つと考えているのですが、これをさらに深く掘り下げたのが筑紫さんの言う知の三角形なのだと思いました。

それは、知というのはInformationとKnowledgeとWisdomから成り立っているという考え方で、Informationの入力にたいしてKowledgeで判断し、Wisdomによって最終判断を下すという概念です。
筑紫さんは、現代の情報化社会ではInformationの量が多すぎて三角形のバランスが崩れていると指摘します。
ピラミッドの最上部だけが異常に肥大していて頭でっかちになっていると。

これを解消するためにKowledgeとWisdomの部分を拡張しなければならず、その方法については本書に分かりやすく提示されています。

プッシュ型メディアから他律的に情報を得るのではなく、この知の三角形を活用して、自律的に物事を考えることが、情報化時代の護身術であると本書では述べています。

この現代で話題にされる様々なトピックに対して、独自の視点で問題点を指摘し手いる本書は、現代社会を考えるための入り口として有効な良書だと思います。
また、トピック自体は現代のもので、今後どのくらいの期間で風化するかわからないものですが、その根底に流れる思考の手法やジャーナリストの哲学とでも言いましょうか、筑紫さんの視点というのは、いつまでも活かされるべきものだと思います。

私の筑紫さん贔屓もあるのかも知れませんが、文句なくお勧めの一冊です。

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【レビュー:本】イニシエーション・ラブ

タイトル:イニシエーション・ラブ
作者:乾くるみ
出版社:文藝春秋(文春文庫)

知り合いの女の子から勧められた小説。
あまりコテコテの恋愛小説は読まないんですが、これはハマッた。

乾くるみと言えば推理作家なので、ミステリ仕立ての恋愛ものかと思ったらこれがまたコテコテのラブストーリー。

ただ、恋愛の美しい面だけではなく、嫉妬や裏切り、倦怠など、恋愛のダークサイドとも呼ぶべきところも(表面的にではなく)しっかりと描写しているのが、流行り物のラブストーリーとは一線を画すところですかね。
恋愛の描写については、物語としてはつまらないと感じるくらいにリアルです。

再読必至というキャッチが付いていたのですが、本当にその通り。

最後の最後で”アレッ!?”となります。
そしてもう一度読み直して、”ああ、そういうことか。”となる。

ミステリ作家が本気で恋愛小説を書くとこうなるのか、と思わせる作品です。

舞台はバブル絶頂期の静岡と東京。
ヒロイン”マユコ”と主人公”鈴木(たっくん)”のお話。

この作品にどんな感想を持つか、それは様々だと思います。
単に恋愛小説としてみれば、陳腐でありふれた物語。
かといってミステリとは呼べない。

しかし、これは、文句なしにお勧めです。
群像劇ではなく、一組のカップルを描いた恋愛小説なのにこの仕掛けを…というのが本書の最大の価値でしょう。

【レビュー:本】空気を読むな、本を読め。

タイトル:空気を読むな、本を読め。
著者:小飼弾
出版社:イースト・プレス

読書人として、ブロガーとして私のメンターである、小飼弾さんの”本の本”です。

私は、”空気を読む”という行為やそれを是とする風潮を非常に嫌っているのですが、それが間違っていないと弾さんに保障されたようで、正直、読んでいる間に何度も快哉を叫びたくなりました。

両親は徹底して”ウチはウチ、他所は他所”と言って私を教育しましたし、保育園の時分からテレビと言えばNHKのニュース番組とドキュメンタリーでした。

小学生になってもドラゴンボールも知りませんでしたし、テレビを観たいという感情もあまり覚えませんでした。
どうしても観たかった番組は、毎週月曜日のゴールデンタイムにNHKでやっていた、『生きもの地球紀行』ぐらいでしょうか。

おかげで今でも、基本的にケーブルテレビのドキュメンタリーしか観ませんし、地上波はどのチャンネルがどの放送局かも定かではありません。

そして、その分、本だけは際限なく与えられました。
書店ではいくら使っても許されましたし、図書館でも両親の分のカードまで使って借りました。
更に何より、寝室と両親の書斎には壁一面の本棚がありました。
読む本が無い、ということは今まで生きてきた21年間、一度も経験したことはありませんでした。

他所がどうであろうと、それがウチの教育でした。

現代には、この”ウチはウチ、他所は他所”という考え方ができる人が少ない。
少なくとも私の周りにはそれなりに存在しますが、世間一般を見渡せばかなり少数派ではないかと思います。

自分が”KY”と呼ばれることを恐れる人にとって、この本は衝撃的なのではないでしょうか。

1ページ目から、いきなり”空気なんか読んでいたら確実にバカになります”と弾言されている。

ああ、前の上司に聞かせてやりたい!

弾さんの読書法、本に対する姿勢、読書歴、情報の取り扱い方が凝縮されたこの本。

この本を読めば”読書”の全てがわかると言っても過言ではないかも知れません。
なにしろ、著者はおそらく、質・量共に日本一の読書家ですから。

弾さんの書評blog: 404 Blog Not Found
弾さんTwitter: http://twitter.com/dankogai

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趣味の文具箱Vol.14買った!

昔から、特定ジャンルの雑誌を買い始めると更に深くハマっていく傾向の強い私ですが、誘惑に勝てなかったorz
PCしかり、トイガンしかり。未だに、数年前の週刊アスキーと月刊GUNの山が部屋の一角を占拠しております。

だって…プロフィット・レアロが気になるんだよぅ。。。

ということで。
趣味文Vol.14です。

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個人的な目玉記事はプロフィッ・トレアロと、インク特集、LAMYのダイアログ3ですね。

順番に見ていきますか。

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【レビュー:本】ユダヤ人に学ぶ速学術

タイトル:ユダヤ人に学ぶ速学術
著者:濱野成秋
出版社:グラフ社

ユダヤ的な学習法についての本なんだろうけれど…
アマゾンのレビューでも酷評されているのだが、評論というか論説文としての出来は悪い。
まず文体の統一が図られていない。
文語口語が入り乱れていて、そういう意味では非常に読みにくい本。
また、ユダヤ式というのも、著者の勉強法がユダヤ的であるという論に終始していて、ユダヤ伝統の勉強法について具体的に言及しているわけではない。
厳密に言えば、「ユダヤ式勉強法」の本ではない。

ただし、そういった枝葉末節にこだわらないのであれば、内容としては非常に参考になる。
勉強の基礎は筆記具の持ち方からというのは、昨今流通している勉強本の中では異色なのではないだろうか。
確かに姿勢や筆記具の持ち方は、脳の活性化という面でとても重要なのは科学的にも明らかなので、そこから論じるというのは説得力がある。

また、隙間時間の活用や活性知識についてなど、日本の学校で教わる勉強と社会で役に立つ勉強の違いについて明確に書かれているのも良い。
勉強とは、”理解と記憶”に”思い出し”が付いてやっと完成するとする著者の勉強観は正しいと思う。
せっかく覚えたって、すぐに思い出せなければ意味がない。

上であえて”日本の学校で教わる勉強”としたのは、欧米ではフォトリーディングをはじめとする全脳学習や、思考鍛錬、問題解決など、実際に社会で役に立つ勉強を実践している学校が多いからだ。

おもしろいのは、英語の勉強法にかなりのページ数を割いていること。
英文を音読し、記憶し、原文を見ずに書く。
一人でディクテーションをやるようなものだ。
ニューヨーク・ユダヤはそうやって英語を学び、全く英語を知らない状態で移民してきて1年で英語の教師になった人も多いという。
これは、英語の勉強にディクテーションと長文書写を取り入れている私には嬉しいことだ。
ただ音読は今までやっていなかったから、これからは長文書写の際に音読、暗唱を入れていこうと思う。

読了後の感想としては、「学問に王道なし」を再認識したと言ったところだろうか。
最近流行りの、効率を重視した学習法では、やはり付け焼き刃で自分の血肉にはならないということだ。

数分の隙間時間でも勉強する。それも思い出しまでが組み込まれたシステムで勉強すること。
それだけが、自分の血肉になる勉強なのだろう。

【レビュー:本】クローズド・ノート

タイトル:クローズド・ノート
作者:雫井脩介
出版社:角川文庫

今更感があるが、軽い気持ちで読んでみた。
万年筆ファンとして、昨今のブームの火付け役となったこの本に、それなりの期待はしていた。

前半部分は、万年筆を中心に物語が展開していくのだが、登場する万年筆は高級モデルがメイン。
主人公の女の子が愛用しているのがデルタのドルチェビータ・ミニ。2009年3月現在、定価60,900円というもの。
また、主人公のバイト先の先輩もミニ・オプティマ(定価50,400円)と…

しかもヴィスコンティのファン・ゴッホとか出てくるし。。。

万年筆の買い方とか、かなり詳細に描写されているので、これを読んで万年筆が欲しくなる人が増えたのも納得。

物語としては、まず万年筆、日記、絵がキーのよう。
ただ、万年筆で書かれた日記が登場するのだから、文字のインクの濃淡や色、筆跡などを、もっと心理描写に活用しても良いんじゃなかろうか。
万年筆は独特の筆跡がある筆記具なのだから。
後半になるとノートの主が万年筆で日記を書いていたことを忘れてしまうくらいに、描写が少ない。

単純に恋愛小説として書かれたものであれば、前半の万年筆に対する詳細な描写は無駄なボリュームがある。
その代わり、最後のシーンにもっと枚数を割いて詳細に書いて欲しかった。

なんとなく、登場人物それぞれのストーリーに竜頭蛇尾な感の残る小説。
恋愛小説としてはストーリーも心理描写もありきたりで、ありふれたもの。
万年筆小説(そんなジャンルはないが)としては万年筆の世界を十分に活かしているとは思えない。
ただ、万年筆を知らない人に、その良さを知るきっかけとして読んでもらうには最適だろう。

あとがきを読んで知ったのだが、作中に出てくる女性教諭の日記は実在しているらしい。
その日記を元にしたという着想が斬新なだけに、なんとなく中途半端なストーリーが非常にもったいない。

【レビュー:本】史上最強の人生戦略マニュアル

タイトル:史上最強の人生戦略マニュアル→amazon
原題:Life Strategies
著者:フィリップ・マグロー
訳:勝間和代
出版社:きこ書房

徹底的なリアリズムから、自分の人生を歩むための効果的な戦略を考えるための本。
心の弱いところ、できれば直視せずに、なかったことにしたいところをズバズバと切り込んできます。
もはや拷問に近い。

これを読んだあとは、自分の問題を自分以外の誰かの責任にすることはできなくなります。
徹底的に、すべての責任は自分にあることを見せつけられます。
7つの習慣でいうところのパラダイム転換ですね。
フロイトの幼児体験やトラウマといった概念すらも切り崩し、覆し、言い訳になるすべてを断ち切ってしまう。
“あるのは事実と認識だけ”という新しいパラダイムによって、問題を解決していこうという本です。

自分らしい生き方ができていないとか、早急に解決すべき問題を抱えているとか、そういうときに読む本。
人生の戦略を立てるための”技術”が、具体的に書かれています。

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